投稿日:2008-04-04 Fri

病院での針刺し事故は、今や世界中の問題です。注射器の使い回しやちょっとしたミスで、エイズやB型・C型肝炎などに感染する恐れがあります。
インドではこの針刺し事故に対しては、まだ途上のようですが、ここプネのRuby Hall Clinicでは、率先して事故防止のために取り組んでいます。
同病院で病理学と微生物学を率いるNita Munshiさんはこう言います
「針刺し事故を防止するのは易しいことじゃありません。往々にして、スタッフが注意を払わないときがあります。そんなときは、彼らに対してときには脅すように言うんです。『あなたが病気になって死んだら、家族は貧しい生活を強いられてしまうよ』と」
同病院では、感染予防チームというのを作り、スタッフのシフト交際の際、みんなを集め、日々の仕事にどのような危険が潜んでいるかを伝えています。
病院で働く人に対する安全は、ほとんどインドの病院でおろそかにされているといいます。しかしプネのいくつかの病院はネットワークを作って、命を脅かす針刺し事故防止のために、さまざまなイニシアチブをとっています。
まずは情報を共有し、医療従事者への注意の徹底。それから注射そのほかの器具の扱いについてのマニュアルを作成しました。
また、先進国でも使われているEPINet(エピネット/ Exposure Prevention Information Network)というソフトを導入しました。これは、医療従事者が針刺しや切り傷を負ってしまった事故や患者の血液・体液に直接触れてしまったという事故を報告・解析するためのソフトです。このシステムのおかげでRuby Hall Clinicでは、そのような事故が格段に減ったとのことです。
さらに、あるプネの病院では、肝炎予防の注射を医療に関わるスタッフ全員にしたそうです。
プネの病院のこのような画期的な試みは、現在成長を続けるインドの医療産業で模範となりつつあります。
2000年には、全世界で、針刺し事故を含むケガにより、C型肝炎に感染した医療従事者の数は1万6000人、B型肝炎は6万6000人、HIVは1000人となっています。
インドでは、針刺し事故に関するデータはありません。しかし専門家は警報を発しています。インドでは毎年注射器が17億本販売されている一方、実際注射が施されたと確認されている数は50億回と推定されています。
プネのある医療事故防止の専門家は、こう語っています。
「病院側は医療事故防止のために投資すれば、それだけスタッフが病気になったときに手当てや補償として支払うお金が少なくなるという配当になって返ってきます。モラルの問題だけでなく、こうした財政面での考え方も他の地域の病院にも広がれば願っています」
●Pune hospitals seen as model for health care workers' safety [livemint.com / The Wall Street Journal]
http://www.livemint.com/2008/04/03232239/Pune-hospitals-seen-as-model-f.html
●Ruby Hall Clinic
http://www.rubyhall.com/

