投稿日:2007-09-30 Sun
インド門の近くで水を買ったときの話。露天で1リットル入りのペットボトルの水を買おうとしていくらか尋ねると、店の男は20ルピーと答えた。通常は10ルピーほどだが、観光地なので仕方がないと思って、とりあえず50ルピーを渡した。すると、その男はとなりの男と一度目を見合わせたあと、こちらに向き直り笑みを浮かべた。そして... 何もしなかった。「おつりは?」と尋ねると、「ん?」ときょとんとした感じで何もしようとしない。「おつり30ルピーでしょう?」というと、その男は「俺いくらって言ったっけ?」などととぼける。よくもシラを切れるもんだとあきれて、「20ルピーって言っただろ。早くおつりを返せ」と強い口調になると、10ルピー札を一枚返した。そしてまたストップして、相変わらずとぼけた感じで、残りを渡そうとしない。こうなればこっちも強硬手段である。仕舞には「早くしろ!!」と怒鳴った。するともう一枚。そしてまた手を止めて、にっこりした。うお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
ここまでふてぶてしいとは!!! えぇ、ということで、最後の最後には、カウンターを手で叩いてですね。さらに強く大きい声で、文句を言うことになりました。するととうとう「やれやれ」という感じで最後の一枚をこちらに手渡した。インド恐るべし。
投稿日:2007-09-29 Sat
週末はお休みということで、さっそくデリーの市内観光をすることにした。インドへ来てはじめてゆっくり写真を撮る機会だったので、今日は写真を中心に、デリーの町を紹介しようと思う。インド門。第一次世界大戦で戦死したインド人兵士のために建てられた慰霊碑
。

公園の池で水浴び。

町行く女性。

ゴミ箱をあさるストリートチルドレン。

政府省庁関係の建物が並ぶ。

公園でクリケットをする若者。

クリケットを見ているとある若者が話しかけてきた。(上写真の中央)クリケットをいっしょにやろうと誘われた。まずは見学しながら、少し話したあとに名前を聞くと「俺の名前はリージェー。DJみたいだろ! ダンスと音楽が好きなんだ」と、アメリカの黒人のようなラップな乗りで答える。周りの仲間はみな上流っぽく、ネットもできそうな高級な携帯を持っていた。女性もみなTシャツにジーパンで(ほとんどのインドの女性はサリーやパンジャビードレスなどの伝統的な服を着ている)男子とくっついて芝生に寝転がっていたり、ほかのインド人の様子と明らかに違っていた。これがきっと「ニューリッチ」と呼ばれる世代なのだろうと感じた。「博物館はどこか?」と尋ねると、「そんな知らねえよ。まあ、あんな古いものなんか大っ嫌いだよ」と語っていたのが印象的だった。
デリーの地下鉄。

地下鉄の駅構内。

インド版スタバ喫茶店、CAFE COFFEE DAY。

マクドナルド。「チキン・マハラジャ・マック」と名前もインド風。なお、インドでは牛肉や豚肉を食べないので、マックの肉はチキンと魚のみ。ベジタリアン・バーガーというのもある。

デリーの旧市街。

ラールキラー。ムガール帝国時代の城


投稿日:2007-09-27 Thu
今日のスケジュールは健康・安全面のオリエンテーションとその後関係機関の表敬訪問だった。こっちに来て思うのは、衛生環境が劣悪だな、ということ。よく比較されがちな中国と比べれば、都市部だけを見れば、中国のほうがずっと街がきれいに整備されているし、中心地では衛生上の問題から屋台を禁止するなどの措置を積極的に採っている。
個人の見解からすると、これは別にインドが劣っているとは簡単には言えないと思う。同じ経済成長著しいインドと中国だが、インドが民間主導で経済を発展させているのに対して、中国は政府主導の資本主義という体制をとっている。そのため、まずは公共投資にお金が回る。悪く言えば箱物や見かけの部分にまずお金をかけたがる。一方インドは民間主導の発展のため、公共投資にお金を中国ほどかけていないのではないだろうか。そのため、交通や衛生といった分野において遅れをとっているのではないか。少なくても自分が行くプネではそれが問題だと現地発のネットニュースで見たことがある。
さて、オリエンテーションによれば、ここインドで気をつけなければならないのは交通安全と病気である。交通安全については昨日の「歩行訓練」で書いたので、今日は病気について。
ここインドでもっとも気をつけなければならない病気は、「デング熱」「マラリア」「狂犬病」である。デング熱もマラリアもどちらも高熱をはじめいろいろな症状が出る。マラリアは苦しいがきちんとした治療を受ければ死ぬことはない。しかしデング熱は出血やショック症状を伴うことがあり、下手をすれば死ぬ場合もある。そして詳しい発症のメカニズムが解明されてないことからワクチンがないため、治療は対処療法として早めに熱を下げる努力をするだけである。一番効果的なのは、予防なのだ。
デング熱もマラリアも蚊を媒介としてウイルスが伝染する。デング熱は熱帯シマ蚊、マラリアは○○蚊。(忘れた...) まあ、蚊の名前はともかく、マラリアの蚊は主に夜に活動するのが特徴だが、デング熱の蚊は昼間活動するという。つまり24時間蚊には気をつけなければならないというわけだ。この暑い中で、長袖・短パンで外を歩くというのは伝染病という観点からは危ないということになる。
狂犬病も恐い。これにかかってワクチンを打たなかったら、確実に死に至る。たとえ事前に予防注射をしても、噛まれたその日にワクチンを打ち、3日後にも打ち、それからまた何日後かに打つ、ときちんと対処しなければならない。そして世界の狂犬病発症の8割以上がインドで起きているという。国と人口がでかいといえ、恐ろしい数字である。
安全に2年の任期を終えるには気を配らなければならないことが山ほどあるようだ。
さて話は変わって、今日の表敬訪問の移動はすべて車だったので、少し車の話を。バスやトラックの後にはよく「Horn Please」と書いてあるのを今日気がついた。Hornというのは「クラクションを鳴らす」という英語の動詞だが、つまり「クラクションを鳴らしてください」とわざわざ車に書いてあるわけである。なんだか日本とまったく常識が違う習慣だ。まだインド人には確かめていないが、おそらく運転マナーがめちゃくちゃで、予想できない動きをする車の波の中で、クラクションを鳴らして自分の位置を相手に知らせることは、この国の交通事情には適しているのかもしれない。
しかももうひとつ気がつくことは、車のサイドミラーが折りたためるようになっているのはすばらしいが、折りたたんだままで走っている車が異常に多い。たぶんそんなものに頼らないからなのだろうか。
その時調整員の方が一言。「インドでは車を買うときサイドミラーはオプションなんですよ」...
さらに他のJICAスタッフが一言。「インドでは車を買い替えるのはガラスが割れたときではなく、クラクションが壊れたときなんだそうです」
とまあ、後者は多少は誇張しているものと思われるが、いずれにしても、死角のあるミラーなんかより、クラクションのほうが役に立つってことなんだろうか。
最後に、日本食とビジネスの話。ここデリーには日本人が何千人か住んでいるらしいのだが、日本食材店の商売はあまり儲かっていないようなのだ。通常日本人が200人以上いれば、そういった店は出現し始めるらしいのだが、数千人いても売上はぼちぼちらしい。これはどうやらインド特有とのこと。それはどうもインドに住む日本人はそのほとんどが日系企業の駐在員だかららしい。その心は、駐在員はとても高待遇で、企業内で日本から食料品などを送ってもらうときに、補助金が出るというのだ。しかも、日本に帰国していろんな買い物をするときにも「買い出し手当て」のようなものが出るらしい。つまり、近くの日本食材店で買うより、遠くからわざわざ買っても、会社がお金を負担してくれるというわけである。これでは商売あがったりである。
このビジネスマン中心というのはとても中国(とくに広州周辺)に似ていて、最近利益がなかなか出にくい国際線の中で、インドと中国はとても儲かっている、ということにもつながる。座席はビジネスクラスから埋まっていくのだ。ちなみに現在日本からインドへの直行便はデリーとムンバイへ出ているが、ムンバイへの路線は「ビジネス・ジェット」と言って、座席がすべてビジネスクラスという代物だ。
バックパッカーの聖地としてのインドか、はたまたビジネスのインドか……。いずれにしても、一般の日本人にはまだ程遠いように感じるインド。インド数学などで最近注目を浴びているものの、人的交流はいまだに希薄。その穴を埋めるためにこそ、青年海外協力隊で現地の人と同じ目線で仕事に取り組む活動が生きてくるのだと信じている。
投稿日:2007-09-26 Wed
朝4時に目がはっきり覚める。普段日本じゃあり得ないことだが、あとから考えれば時差によるものだろう。日本との時差3時間半。その後は一時間ごとに寝たり起きたり。午前中は病院へ行き、腸チフスの予防接種を受けに行く。中規模の病院だったが、受付の人から、担当の人に代わり、さらに他の人にたらい回しにされたあげく、事前に頼んでおいたワクチンがないようだった。結局用意がまったくできていなかったというのが現実なのだろうが、病院側はそれを隠して、「5分待て」とのこと。ここインドでは「5分が15分になる」と調整員の方が言っていたが、まさしくそんな感じで。最後は調整員が我慢できずに直接交渉に向かって、結局は成分は少し違うものの、信頼できるほかのワクチンを注射することで一件落着。こんな調子で今日のスケジュールに早速遅れが出てしまった。
病院からJICAオフィスに向かう車の中で、こんな話を聞いた。昨日から何回か自ら体験したが、首都デリーでも、短時間の停電がよく起きる。それでパソコンをしていた場合、ノート型パソコンなら問題はないが、デスクトップで、急に電気が切れたら大変である。そこでインバータ(UPS)というものを使って、電気をそこに貯めておき、突然停電しても、電源が切れてデータを失うのを防ぐ、というものが売られているらしい。途上国としての顔と、IT先進国としての顔を併せ持つインドならではの品だと感心した。
「大きいものが強いもの」──。と、これは何かといえば、インドの交通事情。別にインドだけではないが、とにかく歩行者優先・保護という概念はない。強い車は歩行者の横を文字通り紙一重で走り抜けていく。我が物顔で突っ走る車の間を人が絶妙のタイミングで潜り抜けていく。この国で道路の向こうのレストランに行きたければ、この「技」を身につけなければならない。現地訓練にはありがたいことに「歩行訓練」なるものがついていた。実際に町に出て、道を歩く。わざわざ夕方のラッシュの時間を選んで、車の多い通りを選んで、道を渡る。前後左右だけでなく、上下も含め文字通り四方八方に気を配られなければならない。
歩行訓練を終えると、今日のオリエンテーションも終わり、ホテルへの帰途に着いた。昨日の別館から今日は本館の方に移れるはずだった。ところが、ホテル側は「もう一泊だけ別館に泊まってほしい」とのこと。「明日は絶対に大丈夫だから」とのこと。何か部屋に問題があるとのことだったが、詳しい理由は説明されなかった。調整員の方はかなりご立腹の様子だったが、自分としては「これがインドかぁ」という諦めというか納得という感じで、不思議と腹が立たなかった。
腹が立ったのはその後だった。日本から電気機器を持ってきたが、電源プラグの形がインドのものと合わなくて使えなかったので、その変換プラグをホテル近くの小さな電気店へ買いに行った。狭い部屋でいかにも個人経営という感じの6畳ほどの面積。カウンター越しに店主に話しかけると、英語で無事何回かの会話の往復の末、無事変換プラグをゲット。小さく簡易的なものは20ルピー(約60円)で、アース付きで店主オススメ(笑)のものは50ルピー。しかし簡易のもので十分だったので、それに決定。しかし両替したばかりで大きい500ルピー札しか持っておらず、それで払うとかなりしぶい顔をされた。まあ気持ちはわからないでもない。とにかくはじめての買い物を無事に済ませられたことでほっとしてうれしい気持ちでホテルへ帰って、のちにポケットのお金を確認すると、440ルピーしかなかった。つまり20ルピーを買っておつりは480ルピーのはずなのに、40ルピー足りないのだ。おそらく騙されたのだろう。たぶん20ルピーという少ない買い物で500ルピー札なんか出して、しかも外国人だし... という結果なのだろう。相手も相手だが、おつりを確認しなかった自分にも十分落ち度はあるので、まあ、はじめての買い物だし、いい勉強になったということで、「勉強料」かな。
投稿日:2007-09-25 Tue
飛行機に乗ること8時間。首都のニューデリーに到着。一般のパスポートと違う緑色のオフィシャル・パスポート(公用旅券)を持っているので、そこ専用の入国カウンターを通って誰よりも先に抜けられるはずだった。しかし、普通の旅客も普通に専用のカウンターを使っていて、結局は普通の旅客といっしょに長い列に並ぶはめになった。現地の調整員に方に空港まで迎えに来てもらっていて、車でホテルまで。ホテルにはJICA事務所のインターンスタッフの人たちが3名いて、同じところに泊まるはずだった。しかし、同じ本館ではなく、だいぶ離れた別館に移されることになった。理由は不明だが。ホテルの別館?とは思えない普通の5階建てくらいのアパートみたいなところに入っていって、1,2階は本当に普通の民家。3階に上がるとようやくフロントらしきところに出る。部屋はとてもきれいだったので、一応安心。
小さなホテルだったが、ホテルマンはきちんとしていた。応対やサービスの姿勢など、とてもプロフェッショナル精神を感じた。言葉遣いは大変丁寧だし、お客様のニーズに応えよう、またそのニーズを先を読もうとする姿勢がいたるところに感じられた。今回急に部屋が変更になったことについて、調整員の方はホテル側が自分たちのミスを隠そうとしている、と言っていたが、それでも、メンツを保とうという下心があったにせよ、少なくとも表面上の対応は日本にも決して劣らない紳士的なものだった。中国では感じられなかった感覚。イギリスの紳士的な文化が入っているようにも感じられた。
さて、今回部屋が急に部屋が変更になって、その変更先が普通のアパートのようなところだった──ということには、今インドが抱える問題を反映しているように思われる。空港からホテルに向かう車の中での調整員との会話の中で、今インドが不動産バブルになっているという話を聞いた。経済が伸びて、海外からのビジネスマンがたくさん来るようになって、部屋が足りなくなったために、地価やホテル代が急騰しているというのだ。「急騰」というより「暴騰」で、たとえばJICAオフィスでは、今年契約が切れるが、次の更新では今の家賃の3倍も請求されているというのだ。途上国にしてはホテルの宿泊料は世界的に見ても破格の値段で、ある情報によれば世界で一番ホテルの平均宿泊料が高いのは、インドのバンガロールだということだ。
部屋が足りないから、値段がつりあがる。値段がつりあがって儲かるから、とにかく部屋を増やそう……、そんな背景から、今回自分が泊まったホテルの別館がこんな変なアパートの中に無理矢理作られたのではないか、というのが推測である。
いきなりインドの洗礼を浴びてしまったが、悪いことばかりではない。他の途上国の都市圏同様、交通渋滞と大気汚染、交通ルールの悪さは問題だが、ひとつ関心したのは、バスやタクシーがガスを使うようになってきているということ。車両にはCNGと書かれていて、何の略かは忘れてしまったが、ガスを使って大気汚染を減らそうということだろう。
最後にもう一つだけうれしいことを。初日は雨が降っていたこともあってとても涼しかった。それでも東京よりはずっと暑かったのだけれど。とにかくこれからインドは乾季に入り、雨も少なく、涼しくなり、インドでのベストシーズンらしい。「一番いい時期に赴任したね」と調整員が言ってくれた。
これから一ヶ月、ここでヒンディー語の勉強を中心として現地訓練が始まる。

